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なのえもん
日時: 2009/03/25 20:25
名前:  

小ネタ、といってもほとんど本編で使ってしまうため、少し趣旨を変更してみました。
たまにしか書きませんが、楽しんで頂けると幸いです。

>>1-3「魔法ロボットリリカルなのえもん」
メンテ

Page: 1 |

魔法ロボットリリカルなのえもん ( No.1 )
日時: 2009/03/25 20:26
名前:  





僕の名前はクロノ・ハラオウン。
自分で言うのもなんだが、良くも悪くもない極平凡な一般男子だ。

僕の座右の銘は「家内安全・無病息災」
よく母からは年寄り臭いと言われるが別に年寄り臭くたって構わない。
クラスの人間には「冒険したい」だの「強くなりたい」だの「二次元に行きたい」だの色々言っている連中もいるが、僕からすれば理解の外だ。

人間何事もほどほどが一番。
何か変わった事などなくても、人生において…………


「なのえもん登場なの〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」



机の前で宿題に取り組んでいた僕の前に突如そいつは引き出しの中から現れた。
っていうか…………

「ちょっと待て!いくらなんでもその登場の仕方はないだろ!?僕今モノローグ中だったの分かってるだろ!?せめて全部喋らせろよ!!流れも何もあったもんじゃない!!」

「『monologue』?ワタシ、ニッポン語サッパリネ〜〜〜」

「バリバリに発音できてるじゃないか!!それ和製英語だから当然だけど!?」















魔法ロボットリリカルなのえもん

「はじめまして。そして、さようなら」


















「ふぅ……」

――――トンッ

軽くため息をつきながら、机から降り立つそいつは、よく見れば僕と同い年くらいの女の子。
可愛く見えない……事もない………。

「いちいちうるさいな〜なの。主人公の語りなんて大抵どの漫画でも『へぇ、それがどうした?』の一言で片付けられて、みんな読み飛ばしてるもんなの♪」

いや……。今のは気の迷いだ。
間違いなくこいつは可愛くない!

「で、君は一体何なんだ?」

「私は”なのえもん”。22世紀の未来からやって来た、極一部のマニアの間でわずかに水面下で人気が浮上しかけた”魔法少女型ロボット”なの!」

「要するに全然人気のないマイナーロボットって訳だな」

カチャッ

『Divine Buster』

ドカアアアアアァァァァン―――――……!








シュウウウウゥゥゥ―――……

「なっ……なっ………」

自称ロボットであるこいつの取り出した杖らしき物から
いきなり桜色の光線が部屋の中に巨大な穴をあけて僕の真横を通過していった。

「ダメなの!乙女の悪口言うと”ステキ♪”なバスターがあなたのハートを狙い撃っちゃうの!」

「な、なっ……何があなたのハートだあああああぁぁぁぁ!!あと10cmズレてたら明らかに僕の全身が跡形もなく吹き飛んでたぞ!!?」

「大丈夫♪非殺傷設定だから、当たってもあいたたた済むなの♪」

「信じられるか〜〜〜〜〜〜!!こんな……こんな無残な残骸見せられて、そんなとってつけた様な設定………」

カチャッ

「……だったら、その身をもって試してみる?なの」

「わかった!信じよう!!」











「………”なのえもん”だったな?その未来から来たロボットが一体何のためにこんな所に?」

色々ツッコミ所は絶えないが、そこはあえて触れないで要点だけを尋ねる事にした。
下手に触れればさっきの二の舞だ。

「……私の持ち主であり、恋人になる予定のあなたの子孫”セワシ”君。私は彼を幸せにするために”ドジでダメで何をやるにしても不器用でそのくせヘタレで世間知らずで頭の中パッパラパー”な先祖であるあなたを立派な人間にするためにこの時代へやって来たなの!」

おい、待て!今、恋人になる”予定”って言ったか!?
こいつ何ロボットなのに人の子孫狙ってるんだよ!?っていうかセワシ!?えらい日本名なんだけど!!
しかも、”ドジでダメで〜〜”な先祖って僕の事かよ!!?

あぁ、ダメだ。つっこみたい!これどうしてもつっこんじゃダメなのか!!?

「………色々言いたい事はあるが……。それは置いといて、僕は君の期待に添える程ダメな人間じゃないつもりだが?」

一応、僕にもプライドというものがある。
こいつが何者であれ、変に誤解されるのも不愉快だ。僕はその言葉と共に1枚の成績表を見せる事にした。

「どれどれ………なっ!?」

僕の手渡した成績表を手にすると、さすがのなのえもんも多少は動揺している様子だ。
―――ここで、少しでも優越感に浸っていた僕がバカだった。

カチャッ

『Starlight Breaker』

ドゴオオオオオォォォォ――――……



「こんなの聞いてないなの!!セワシ君のご先祖はヘタレでダメで惨めったらしく『なのえも〜〜ん助けてよ〜〜』って泣きついて来なきゃダメなの!!じゃないと私が『もう、しょうがないなぁ、のび太君は〜〜』って女神の如く活躍できないなの〜〜〜!!」

『Accele Shooter』

ドドドドドドドオオオオォォォォ―――……


「駄々をこねながら、人の家を破壊するのは止めろ〜〜〜〜〜〜!!っていうかのび太君って誰だ!!?」












「ま、良いか。過ぎた事をあれこれ言っても始まらないなの」

……これだけ破壊行為をしておきながら『ま、良いか』の一言で済ませるこいつの精神を疑う……

「要は先祖である君が世界の覇王になってくれれば、セワシ君は幸せなの♪」

「待て待て待て待てっ!君のその”幸せ”像はどこかおかしい!!」



「それに、君に助けがいらないっていうなら、助けを求めざるを得ない状況を作っちゃえば良いだけなの!」

………どこの女王様だ君は………

「ちゃらちゃちゃっちゃちゃ〜〜〜!『もしもボックス』〜〜♪」

「自重しろ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!いくらなんでもそんなっ………そんなチートアイテムが本作以外で許されると思ってるのか!!?大体ネタ的にも分かって貰えるかどうか微妙な……」

バキイイィィッ!

「ぐはっ……」

彼女の左手に握られていた杖によって、僕の顔面は思い切り殴られる。
いや、お前の杖の使い方はそれで良いのか……?

※もしもボックスとは、彼の猫型ロボットも所有する電話ボックス型のひみつ道具のひとつ。受話器の前で『もしも〜〜だったら』と言うとその事が現実に起こるというビックリなアイテムです。

「もしも、この世界がなのはの望む通りの展開になったら♪」

「せめてそこはオブラートに包め〜〜〜〜〜!!それサイッテーの表現だぞ!!?っていうかお前なのえもんだろ!?なのはって誰だよ!!?」












「さ、クロノ君。出かけよ?」

さわやかな笑みを浮かべながら、こいつは僕の手を引く。

「これで今日から君はいじめられっ子なの♪さっそく外にでいじめられてに行こうよ。助けてあげるね」

さわやかな笑みで何言ってるんだこいつは……。
それ以上に何が腹立たしいかって

その笑顔が、一瞬でも可愛いと思ってしまう自分が一番腹立たしい……!

「もう、クロノ君ってば。私の笑顔にメロメロなの♪」

しかも、自覚してるのかよっ!!

「フフフ……。この調子ならセワシ君だってイチコロなの♪なんてって、セワシ君は未来の世界きっての大財閥………って!か……勘違いしないでよね!私は純粋にセワシ君を愛してるなの!お…お金が目当てじゃないんだからね!!」

「い〜や、むしろ納得のいく答えが聞かせてもらえたよ」













しかし……。

つい、流されて町まで出てきたは良いが、いじめっ子ねぇ……。
正直、いまいちピンとこないというのが本音だ。
僕の学校での立場は良くも悪くも普通。上も下もない中間地点。
そんな僕をいじめて何のメリットになるというのか。あの場では色々驚いたが、冷静に考えてみれば無駄足になる確立は高い。

”いじめっ子”というからには同世代。
悪いが、身のこなしには程々に自身がある。よほどのJr.世界チャンピョンでも現れない限りは………

「ようっ、クロノ!今日の俺様は機嫌が悪いんだ!!八つ当たりさせろ!!」

………本当に現れたよ。
この自称”なのえもん”、登場時から既に非常識だとは思っていたが、ここまでくると流石に驚く気も失せてくる。



「…………………………なぁっ!!?」

「ついに現れたなの!クロノ君の宿敵であり天敵、永遠のいじめっ子…………”なのヤン”!」

「おおっ…お………お〜〜〜ま〜〜〜え〜〜〜だ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!」

「ひどいっ……。私あんなに醜くないの!」

そう、僕の前に現れた”いじめっ子”とは白い服を身に包み、明るめの茶色い髪をツインテール、白と桜色を基調として赤い宝石と金色の矛先を携えた杖を手に
おっそろしく、しっかりしたぽっちゃり系の体型をした少女。

まさしく、なのえもんをかなりぽっちゃり・がっしりさせた姿だった。

「どういう事だアレは!?明らかにお前だよな!!?ひょっとしてアレもお前みたいに桜色の光線を出してくるんじゃないだろうな!!?」

ぱしいぃっ!

僕の頬になのえもんの平手打ちが飛ぶ。
今までの暴力とは違う。非力で、とても弱々しい、それでいて悲痛な想いのこもった一撃。

「あんなの……あんなのっ…………私じゃないもん!!」

その瞳に浮かんでいたのは涙。
今にも泣きそうな声で必死に僕に叫んでくる。

そんな彼女に僕は………僕は…………





「いや、お前だよな?」

「……ちっ!なの」

ほら、みたことか。段々こいつの対応法が分かってきた。
とにかく相手のペースに乗らない事。それが必須だ。

「まぁ、そんな事はどうでも良いなの」

「……………………」







「それよりもね。来るよ?」

「何!?」

『Devine Buster』

ドゴオオオオオオオオォォォォン――――――………








『Accele Shooter』

ドドドドドドドオオオオォォォォン!

「ちょっ……ちょっ……お〜〜〜い!これなんとかしろ〜〜〜〜〜〜〜〜!!いじめっ子から僕を助けるのが君の仕事なんだろ!!?」

本物のなのえもんの光線に少しは慣れたのか、僕は辛うじて”なのヤン”とやらの攻撃を全力疾走でかわしていく。

「ダメダメ♪もっと惨めったらしく『なのえも〜〜ん助けてよ〜〜』って涙と鼻水で塗れた顔で頭を地面にこすりつける様に土下座しながら、私にすがる様に頼み込まなきゃ助けてあげないなの☆」

「このド外道が〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!逃げるのが必死なこの状況でそんな事できるかああぁっ!できてもやらないけどなっ!!」









「ダメだよ、お姉ちゃん。困ってる人には救いの手を差し伸べなくちゃ」

こ……この声、この展開は……!

まさか、やっと僕の前に常識派が現れたのかっ!!?










「ハロー!なのえもんお姉ちゃんの可愛い妹エイミちゃんだよ〜〜♪」

「お前か〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!なんでよりによって!!?いや、どうせ名前の響きから適役とかそんなくだらない理由だろうけど!!」

「おやおや、良いのかなぁ?この私にそんな口利いちゃって私は君を救いにやって来た女神様だよ?」

なるほど、たしかに似てるよ。君等2人は………。




「ねえ、なのえもんお姉ちゃん。”ドジでダメで何をやるにしても不器用でそのくせヘタレで世間知らずで頭の中パッパラパー”なクロノ君を助けてあげて?」

ほぉ……!君も使うんだな、そのくだりを………

「仕方ないなぁ。可愛い妹の頼みとあっちゃ断る訳にはいかないなの」

「エイミィには随分と甘いんだな!!」

「エイミィじゃないもん。エイミちゃんだも〜〜ん♪」

「「ねぇ♪」」

な……殴っても良いよな!?殴っても許されるよな!?







「はい、私良い物持って来たんだよ〜〜。ちゃらちゃっちゃっちゃちゃ〜〜!『アルカンシェル』〜〜☆」

なっ……!?そんな……☆とか語尾につけながら出すようなものじゃないよな?

「よ〜〜し、全力全開なの!」

「なのじゃない!なのじゃない!君等それがどんな威力か知らない訳じゃないだろ!!?」

「アルカンシェル。発射準備OK!」






「人の話を聞け〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!」














「……はっ!」

気がつくと、僕はアースラのベッドルームにいた。
ひどく掻いた寝汗が妙に風にさらされて妙に寒気をさそう。

「あっ……悪夢だ…!」

これを悪夢と言わず何と言う。
何なんだ?これは何かを予兆する予知夢だとでもいうのか……。

何だ?
嫌にこの部屋、加齢臭の様なものが………。

………はっ!

誰だ?この猫耳をつけた角刈で髭を蓄えた………

「……はじめまして、僕レジえもん……」














「うわああああああああああああああああああああっ!!」




メンテ
魔法ロボットリリカルなのえもん ( No.2 )
日時: 2009/04/13 18:02
名前:  




視界がぼやける。
それは違う。ぼやけていた視界が徐々にはっきりとしてきているのだ。

真っ先に前に映ったのは、どこにでもある様な平凡な電灯。
窓の外からは光が差し込み、かすかに鳥の声が聞こえる。

僕は半身を起こし枕元にある目覚まし時計を解除する。
習慣というのか、いつも目覚ましをセットした時間の数分前に起きてしまう。
ならば、目覚ましなど必要ないのかもしれないが、目を覚ますたびに目覚ましを解除するというのも、もはや習慣の一部と化してしまっているのだ。

さて、我が家にはベッドがない。
なので、目を覚ます度に布団をたたみ込んで押入れに入れなければならない。
慣れとは恐ろしいもの。
最初は面倒だったこの作業も今ではすっかり………

ガラッ

「おはようございます。ご主人様〜〜〜なの♪」

バタンッ!

…………………………はて?
今何か僕の日常には到底存在しえない何か不吉な物体が目に映った様な気がするのだが……。

いや、気のせいだ!
押入れの中にそんなメイド服着て杖を持った同世代の少女がいる訳がない。
きっとまだ寝惚けているんだ。さっきのは幻だ。
そんな幻を朝一番で見るのは相当病んでいるって?

構わない!病んでても良いから、頼むから、幻であってくれ!!

―――――いざ!




ガラッ

『Starlight

おい……

Breaker』

ズドオオオオオオォォォォン―――――………!



………いきなりかよ














魔法ロボットリリカルなのえもん

「越えられた一線」


















「なんで……なんで君がここにいるんだよ!?あれは僕の夢オチじゃなかったのか!?」

突然目の前に巻き起こる理不尽展開に、僕はありったけの正気を保って反論する。

「夢オチ?何言ってるかさっぱりなの。こういうギャグ小説は1話完結が基本。前回のストーリーなんて気にしちゃダメなの!」

「『なの』じゃないだろうがあああぁぁぁ!!しかも、なんでよりよって君なんだよ!?もう、”フェイトえもん”や”はやえもん”良いだろ!!何が悲しくてまた君と悪夢の共演しなきゃいけないんだよ!!?」

「もう、そんな事言って、前回では私の笑顔にメロメロだった癖になの♪」

「そういうところだけ前回のストーリーを引っ張るのなお前は!!」










もう良い。
これ以上こいつの相手をするのは時間の無駄だ。
とにかく、さっさと学校に行こう。それが一番だ。

「あ、そうそう。今日はなのえもん復活祭として特別ゲストに来てもらったなの!」

”特別ゲスト”
何をどういう風に考えても嫌な予感しかしない。
こいつが紹介するという事はこいつの知り合いに他ならないからだ。
前回でもそうだ。
なのヤンにエイミちゃん。”なのえもん”関連のゲストでロクなのがいた試しがない。

「それでは、ご対〜〜面〜〜〜♪」

ガラッ






そこにはケージの様なかごに入れられ、手足を縛られ、口まで塞がれた一人の少女。

「どど……どこがゲストだ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!?なんだこれ!!捕虜!!?もう見てるだけで可哀想だし、どこから連れてきた〜〜〜〜〜〜〜!!?」

「どこって言われると………高町家?」

あまりの惨状に取り乱す僕に対し、こいつはただ冷静に返答する。
しかも、高町家?
何を意味不明な事を言っているんだこいつは………。

――――……ん?
おかしい。この少女とは明らかに初対面のはずなのに、どこかで会った……いや違う。
どこかで見たような気がする。

「もう、そんなに見つめちゃって!惚れちゃったのかな?クロノ君ってばヘタレで無能でチビでその上ホモなんて、堕ちるとこまで堕ちちゃったなの♪」

「誰が…!………ホモ?」

バッ!

なのでもんの言葉に再びケージの方を振り返る。
ホモ……まさか、彼女……ではなく、彼?

驚くべき点はそこではない。
もし、目の前の人物が男なのだとしたら、やはりどこかで見覚えがある。
たしかどこかで………高町家から連れてきた……?




――――――――…………っ!?!?

いや……え?いやいやいや!
ちょっ………待て待て!これって………さすがにありえない!いくら”なのえもんシリーズ”でもそれはない!
そうだ。ないないない…………。しかし……見れば見る程に見覚えと嫌な予感が………。


「な…なぁ、なのえもん?ちなみに、彼女…いや、彼の名前って………」

頼む!外れてくれ!こんなのはただの杞憂だ!!





「そ・ら・さ・き・ゆ・う・り 君♪」

ふしゅるるるる〜〜〜…… ←クロノの魂が抜ける音






―――はっ!

「ななな………何やっとんじゃああああああああぁぁぁぁぁ!!ゲスト…ゲストってこれ………!人様の作品の主人公を………勝手に連れ出した挙句、拘束した上に強制女装!!?聞いた事ない!!こんな暴挙聞いた事ない!!!」

空咲 裕里。
このサイトの常連、ふぁんふぁさんの執筆する『魔法少女リリカルなのは 白銀の魔法使い』主人公を務める少年だ。
そんな人物をゲストと称して拉致してくるなど、正気の沙汰とは思えない。

パシィィンッ!

小さな掌が、僕の頬を乾いた音を立てて平手打ちにする。

「勝手にじゃ……勝手にじゃないもん!」

その瞳に浮かんでいたのは涙。
今にも泣きそうな声で必死に僕に叫んでくる。

そんな彼女に僕は………僕は…………



「待て!これ前回やったよな!?」

「まぁ、繰り返しのギャグって必要かなって」












「―――で、勝手にじゃないというのはどういう意味だ?事と次第によっちゃ、本当にシャレにならないぞ……」

本来なら、さっさとストーリーを進めるべきだが、今回ばかりは流石にスルーしきれない問題だ。

「だ・か・ら ちゃんと、ふぁんふぁさんの許可は取ってあるの!『裕里を絶望のそこまでやってしまってください!』ってハガキがここに」

そう言ってなのえもんは、ふぁんふぁさんからのものであろう1枚のハガキを取り出す。

「だから、この仕打ちか?本当容赦ないな君は……」




「まったく……。許可が出ているなら普通に連れて来い。こんな明らかに誘拐紛いの事をしなくても」

愚痴をこぼしながらも、僕は彼の拘束を解き始める。
こうして見ると、本当に女性にしか見えないな……。そこ、勘違いするなよ。そういう意味で言っているんじゃないから。

「…ぅ……う〜〜ん………」

ようやく彼も意識を取り戻し始めたようだ。

「大丈夫か?君には本当に同情するよ。少なからずフォローはするが………」



バキイイイィィィッ!!


――――ッ!?!?

状況が飲み込めないまま僕は彼のアッパーカットを食らい、気がつけば宙を舞っていた。
なんだ……?一体何が………。

ドカッ!

そして僕の身体は地面へと激突する。


「……ひっく……この私に気安く触れるなんて10年早い!!」

「アルコールINなの!詳しくは『魔法少女リリカルなのは 白銀の魔法使い 第八話「裕里、女王さまへの道?、なの」』を見てね♪」

………なるほど。
僕が彼の拘束を取る事も計算の内だったという訳か。
っていうか………

「お前はどこまで自由なんだよ!?拉致・拘束・強制女装でアルコールまで飲ませて女王様プレイ!!?もうこの時点で主人公のキャラ崩壊してるじゃないか!!そんな番宣もどきで今までの暴挙が覆せると思うなよ!!?」

「さ、裕里ちゃん。一緒に学校行きましょうね〜なの♪」

「あっさりスルーか!!っていうか彼、そのまま外に出す気か!?しかもお前まで来るのか!!?」













あぁ、気が重い……。
知らぬが仏とはよく言ったものだ。
結局反対はするも僕がなのえもんに敵う訳もなく、こうして学校に来ている訳だが。

「おいおい、誰だよアレ!?2人ともめちゃくちゃ可愛いじゃん!!」

「しかも、今朝あの娘達クロノと一緒に登校してるの見たぜ?」

「なに!?おのれクロノ許すまじ……」

連れてきた、というか勝手についてきた2人の少女(1人は少年)がこれまた凄い評判なのだ。しかも、それをネタに僕が恨まれるという悪循環だ。

更には



「君、可愛いね」 「クロノとはどういう関係!?」 「今度、俺と一緒に……」 「どこに住んでるの?」

「そ…そんな1度に聞かれても、私……答えられないよ……」

なのえもんは今まで見た事のない仕草で猫を被り、男子生徒を見事に騙し……



「お〜〜ほっほっほっほ!あなた達は今日から私の下僕よ!私の手となり足となり、馬車馬の様に働きなさい!!」

『ははーーーーっ!!』

裕里は裕里で、どこから出したかは不明なムチを振り回し、男子生徒を完全に私物化している。
っていうか、男子生徒。
彼が男だと気づいていない事を差し引いても、君らそれで良いのか!?



「はぁ……」

「ほぉ。1人我関せずでため息なんて、良いご身分じゃねえか!!」

―――――っ!?

この展開………。たしか、前にも。
そう、奴の仕業で生まれた悲しきモンスター。なのヤ………






「このフェイトヤン様が、ぎったんぎったんにしてやるぜ!!」

ふしゅるるるる〜〜〜〜〜…… ←本日2度目の幽体離脱



――――はっ!

「な〜〜の〜〜え〜〜も〜〜ん〜〜〜〜〜〜っ!!どどど………どういうつもりだアレ!!?今回はさすがにアウトだぞ!!これ絶対色んな所から苦情来るだろ!!いや、もうなのヤンの時点でもう結構アウトだったけどな!!?」

前回登場した”なのヤン”を覚えているだろうか?
彼女はなのえもんが”僕をいじめるためだけ”に作り出した
なのえもんと同じ服装、能力を持った凶悪ないじめっ子だった。
そしてその特徴として、やたらぽっちゃり体型なのだ。無論今回も例外ではない。

「せめて、姿だけでも元に戻せ。マズいだろ色々と……」

だが、今回はさすがに諸事情というななんというか、色々と危ない問題があるのだ。

「まぁ、読者あっての作品なの。いくら私でもその辺は自重するなの。はぁ……クロノ君ってば、私の時はそんなに反対してくれなかった癖に……」

「なのえ……」

「ふふふ……。男って単純……なの♪」

あぁ、殴りたい……!
だが、さすがにこの”フェイトヤン”をどうにかしてもらうまでは耐えねば……。

「ぽちっとな」

ピッ

………!?!?
今何が起こった!?なのえもんが取り出したリモコンを一押ししただけで、フェイトヤンの姿が元に戻ってゆく。

「な…何なんだそれ!?それが僕を苦しめる元凶か!?今すぐそれをよこせ!没収する!!」

「良いけど、これただのTVのリモコンなの」

「な……っ!?」

「私にチートアイテムなんて必要ないの。私自身がチートなんだから☆」

こんな……こんな理不尽な事ってあるだろうか………。










「クロノ!お前をぼこぼこにして、学園のマドンナの座を1人占めにしてやるぜ!!」

「あれ?なんか姿と同時に目的まで変わってないか?」

っていうか僕を倒してマドンナの座って、僕にどれだけマドンナの要素があるっていうんだよ?完全にこれお門違いじゃないか………。

「こらっ、フェイトヤンに口答えなんてクロノ君の癖に生意気やで!」

……………………はやて。

「君、今回そういうポジションか……。似合うな小悪党」

「小悪党言わんといて!だって……クロノ君いじめんと、今度は私が………」

割と深い現代社会のいじめ問題がこんなところに!!?




「うふふふ……。マドンナの座と聞けば黙っていられないわね!」

裕里〜〜〜!?いや、そこは黙っておいてくれ!明らかに話がこじれるから!!

「私のマドンナ道をさえぎるなら、あなたには死んでもらうわ!」

死っ!?いや、そもそもマドンナ道って!!?

「俺様に逆らうなんて生意気だぞ!ぼこぼこにしてやる!!」

2人の少女は(いや、1人は少年……もういいか)互いに敵意を剥き出しにして猛スピードで突進する。

「お〜〜ほっほっほ!ほ〜〜ら、あなたの大嫌いなムチよ!!トラウマが疼くでしょう!!?」

酔ってる割に妙なところだけ記憶あるんだな……。

「――――はっ、僕は一体ことんな所で何を……?」

なっ!?この局面で裕里の意識が………

「隙あり!ア〜〜〜○パンチーーーーーーーーーッ!!」

ドカアアアアアアァァァァァァ――――………!

「はひ……ふ……へほ……」


「裕〜〜〜里〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!?いや、無理してそんなセリフ言わなくて良いから!!」

全国のちびっ子が憧れる?必殺技によって、裕里はかなり派手に吹き飛ばされる。






「大丈夫か!?」

僕はすぐさま彼の元へと駆け寄る。

「僕は一体……?たしか今朝起きたら、なのはちゃんが突然『……ぐすっ………裕里くぅん……!どうしよう?私もう……お嫁にいけないよ……』って泣きついてきて。何事かと思って近寄ったら、突然お腹に凄い衝撃がきて、いつの間にか意識が……」

…………なのえもん?
お前もうここまでくると、えげつないとか外道とかそんな言葉で済まされる問題じゃないぞ?

「ゆ……裕里……君…」

「なのはちゃん!?」

そんな僕達の会話に突然なのえもんがぐったりとした姿で現れる。

裕里も心配して彼女の下に駆け寄るが
……演技だな。あのなのえもんがそう簡単に倒れたりするなどありえない。
悪いが、彼女の三文芝居につき合う気など僕には毛頭ない。



「……ごほっ!私の事は気にしないで……。いずれはこうなる運命だったんだから……。だからね裕里君?」

彼女の正体を知らなければ、さすがに僕もあれには騙されていたかもしれないな……。

「……クロノ君の事、恨まないであげて………ね……」

「こら〜〜〜〜〜!!人を黒幕の様にしたてて、逝ったふりをするなっ!!悲劇のヒロインっぽいけど、お前こそ黒幕だろう!!」





「………管理局って言うのは偽善者の集まりなんですね」

どこかで聞き覚えのあるセリフと共に、明らかに裕里の様子がおかしい。
なんか……大切な人を失って復讐に燃える主人公みたいな……。


≪Luciferd mode……set up≫<ルシファードモード……セットアップ>

こ、この展開……どこかで見た事あるぞ………。

「ちょっ………!落ち着け裕里!!よ〜〜く見てみろそのなのえもん!ほら!口元ニヤついてるし!!!」

「……ぷぷっ!」

「ほら見ろ!今確実に吹いたぞ!?」





「…………死ね」
















―――――はっ!

気がつけば僕は、再びアースラの寝室にいた。
なるほど、今回もまた夢オチという訳か。

多少の事態はまぁ、大目に見よう。レジエモンだろうが何だろうが多少の事ではもう……

「ね?……本物、見たくない?」

「///…みたい……かも」

………ん?
なのえもんとフェイトヤンが何やら会話をしている。
いや、なのはとフェイト?

何やら2人して妙にこちらをちらちらち見ては、顔を赤らめている。
………あれ?
この展開にも、見覚えが……。

ふと、鏡を見てみる。

「……………」

そこに映るのは僕クロノ・ハラオウンではなく、空咲 裕里、その人だった。
次に、うしろを振り返ってみる。

「うふふ…」

「くくく…」

「にゅふふふ…」

「…艦長命令なんだ………許せ」

そこに並ぶは銀髪の女性と4歳ほどの少女、エイミ……もとい、エイミィ。
そして、僕自身であるクロノ・ハラオウンがいた。


あぁ……。知っている。このあと彼がどうなったのかを。
そして、このあと僕がどういう運命を辿るのか。

これが夢か現実かは分からない。ただ分かっているのは

この後には地獄しかないという事だ…………。
え?実際このあと、どうなるのかって?

ふっ……。僕の口からはとてもとても……。

ふぁんふぁさんの投稿作品『魔法少女リリカルなのは 白銀の魔法使い 第十八話「今回は題名が思いつかなかったのでこのままこの文を題名にしてみた・・・悪いか?、なの」』を読んでくれ。




メンテ
Re: なのえもん ( No.3 )
日時: 2009/05/20 13:49
名前:  





最近暑くなってきて、セミの声が嫌でも耳に入るある夏の日。
僕、クロノ・ハラオウンは机に向かいプリントの束と格闘している最中だった。

僕は割とこういう宿題など早めに片付けてしまう性質だ。だから夏休み後半になっておたおたと困るなどという事はまずない。

だからといって宿題が簡単かといえばそうでもない。
この30℃を軽く超える熱気の中、唯一の救いは僕の後方で必死に己の役目を果たしている一台の扇風機のみ。
こうも暑いとそれだけで普段よりも集中力が下がってしまうのは自明の理だった。



―――――ガタガタ………

………ッ!?

目の前で振動し始める机の引き出し。
僕は反射的に後方へと飛びのく。



「………ふっ。僕だって毎回その手のパターンにやられはしないさ」


バタンッ!

その時、僕は言い知れぬ浮遊感に襲われる。
足下の畳が急にどこかの忍者屋敷のごとく平面から垂直に開かれる。
当然、その上に立っていた僕の身体は開かれた時の衝撃で宙を舞う。

ガンッ!

そして、壁へと激突する。

「た……畳から………だと……!?」

思いもしない不意打ちに、壁に顔面を打ち付けられる僕はその一言をいうのが限界だった。

「やあやあ、なのえもんお姉ちゃんの劇的プリティーな妹、エイミちゃんだよ〜〜〜♪」

現れたのは自称なのえもんの妹エイミ。なのえもん同様に底知れぬ恐ろしさと苛立ちを覚える人物だ。

「それにしても…………」

未だ壁にぶつかり動けない状態の僕を彼女はしげしげと見始める。


「クロノ君ってホント単純♪……ぷぷっ……」

「あぁ、腹立つ!ホントに腹立つな君等姉妹は!!」









魔法ロボットリリカルなのえもん

「未来への旅路」















――――ガタガタ

そんな中、再び机が震えだす。今度はどこからだ!?

また畳から!?それとも押入れ!?窓!?ドアか!?




「―――――………残念♪」

ッ!?
部屋のどこからか、奴の声が聞こえる。

ガラッ

「机の引き出しでした〜〜〜〜なの♪」 『Divine Buster』

ドオオオオオオォォォォォォン―――――………!







「なんでお前は毎回、登場と同時にそのピンク色の光線放ってくるんだああぁぁぁぁ!!」

注意しても一向に直す気配はないのだが、さすがに怒鳴らずにはいられない。



「うわっ……もう生き返ってきたなの」

「ここまで来ると、もう人間じゃないよね?引くわ〜〜……」

………なのえもんだけでも始末に終えないというのに、この2人が揃うと本当に近い内胃に穴が開きそうな気がする。



「そんな事より、お姉ちゃん!大変なんだよ!」

おい、今『そんな事』って言ったか?

「今22世紀の世界が未曾有の危機に瀕しているだよ!」

「未曾有の危機って…………まさか!?」

あのなのえもんが未だに見せた事のない真剣な表情で彼女の言葉に耳を傾ける。

「そのまさかだよ。奴らがついに力をつけたんだ……!そう、『バナナは腐りかけた方が美味いたって限度がる団』が!!」

何なんだその明らかに悪ふざけの塊のようなその団名は!?

「そう……。いつかはこんな時がくるとは思ってたけど…………ついにあの『バナナは腐りかけた方が美味いたって限度がる団』が……」

「そうなんだよ。ついに『バナナは腐りかけた方が美味いたって限度がる団』が………」

何なんだこの茶番……。ツッコミ待ちなのか?








「――――で、なのえもんお姉ちゃんとクロノ君にぜひ未来の世界に助っ人として来て欲しいんだよ」

「ちょっと待て!なんで僕まで!?なのえもん1人で十分だろう!?」

未来の世界だか何だか知らないが、これ以上こいつらの不思議ワールドに関わっていたら身体がいくつあっても足りたもんじゃない。



「うわぁ、出ちゃったよ。クロノ君お得意のヘタレ・軟弱・小心者宣言……」

「これが最近流行りの草食男子ってやつなの。もう男としてどうこうよりも人としてクズなの」


「さっきから何なんだよそのボリューム高めのひそひそ話は!!?良いよ、行けば良いんだろ!?行ってやるよ!!」














「はぁ………」

未来の世界に来た僕は思い切りため息を吐いてしまう。
してやられた。完全にハメられた。
僕らしくもなく、あんな簡単な挑発に乗ってしまうとは………。

「おい、止まれ」

そんな気落ちしながら路地を歩く僕らの前に突然複数の男達が行く手を阻む。

「この辺りは俺達のテリトリーだ。勝手に入ってタダで済むと思うなよ?」



「くっ……。さっそくおでましなの。『バナナは腐り』…………『バナナ団』!!」

「面倒臭くなったんだな!?そうなんだな!!?」



「おい、ガキ共。人の事無視してコントとは良い度胸だ……!」

たしかに、傍から見ればコント以外の何物でもないんだろうなこれ……。

「……仕方ない。なのえもん、頼…………」





「「クロノ君ファイト〜〜〜〜〜♪」」

「遠っ!!いつのまにそんな安全地帯確保してるんだよ!?君等がやった方が明らかに早いだろう!!?」

悲しいかな、戦闘能力だけは無駄に高いなのえもん。
こんな奴らは敵じゃないだろうと思っていたのだが、肝心の本人達が戦う気ゼロ。

「良いけど、アルカンシェル使うよ?」

「…………自力で頑張ります」









―――10分後

「……ぜぃ……ぜぃ……ぜぃ…………」

苦戦の結果どうにかこちらの勝利に終わる。

こ、こいつら地味に強い……。
まったく歯が立たない訳でもないし、だからといって妙に武術の心得があるようだ。




「えぇ……。もう、終わっちゃったの?」

「もう少し待ってて。今2人で携帯小説読んでるから」

なぁ……、僕もう帰って良いか?



「さて、ひと段落した所で久しぶりにセワシ君の家に直行なの!」

なっ!?セワシってあの僕の子孫だとかいう設定のあのセワシなのか!?
何なんだこの急展開……。












「セ〜〜ワ〜〜シ〜〜く〜〜〜〜ん(未来の私の財布〜〜〜〜)!!」

「待て待て待て!()の中にとんでもない本音が入ってるぞ!?もう、隠す気すらなしか!!」

「もう、なのえもんお姉ちゃんは素直なんだから♪」

素直の前に『自分の欲望に』がつくけどな………。



「はじめまして。セワシ・ハラオウンです。またの名をヴェロッサ・アコースです」

「はじめまして。クロノ・ハラオウンだ。色々と事情があるだろうからツッコミは控えておこう」

久しぶりに出会う比較的まともそうな人物を前に、僕は彼と固い握手を交わす。



「いやぁ、正直助かるよ。君のところになのえもんが行ったおかげで、随分と平和になった………」

彼女達に聞こえないように彼は静かにそうつぶやく。

少し意外だった。
財産目当てとはいえ仮にも意中の相手なのだから、少しは猫を被っているものとばかり思っていたのだが………。

「彼女、沸点が低いからねぇ……。割とちょっとした事ですぐに暴力に走るから……」

「あぁ、それは痛いほど分かる………」









ドオオオオオオォォォォォォン―――――………!

そんな中、突如外から巨大な爆発音が響き渡る。



『この区域は、我々『バナナは腐りかけた方が美味いたって限度がる団』が掌握しました。住民の方は直ちに立ち退いてください!』

―――……ん?やけに丁寧な警告だな。というかどこかで聞いた様な声だ。
このエコー具合からして、おそらく拡声器のようなものを介しているのだろう。


「…………なっ!?」

外に出てみると、視界に入ってきたのはとんでもない代物だった。

それは巨大なフェレット。
いや、形の作りが妙に固い。おそらくは“ロボット”の類だと考えられる。
かなり非常識ではあるが、なのえもんやエイミといった存在の時点でそれは考えるべきではないだろう。

いや、むしろ考えるべきはこのロボットの形状。そして妙に丁寧な口調と聞き覚えのある声。

「…………君、まさかユーノか?」

『……なっ!クロノ!?なんで君までこんな所に!!?』

やっぱりか………。できれば杞憂であってほしかったが。

「それはこっちのセリフだ!こんな所で何やってるんだ君は!?」

「こっちだって好きでこんな事してるんじゃない!


こんな事になってなければ!!」

そう言ってフェレット型のロボットから現れた彼の姿。それは――――……




「…………女装?」

そう、ロボットから現れたのはいかにもヒラヒラが印象的なゴシック系のドレス姿。

「いや、そういうのは前回ので間にあってるから………」

「……ふふふふ…………。女装?そうだね。女装だったならどんなにマシな事か………。女装だったならこんな事やってないよ………」

僕の何気ない発言に彼は過度に反応する。
まるで何か触れてはいけないトラウマにでも触れてしまったかの様に……。

いや、どこからどう見ても女装だろう。
あれが女装じゃないというのならそれは…………

――――………ッ!?!?

「き、君……まさか!?」

「あぁ、そうだよ!雑談掲示板の方で『性転換ネタ』が話題に上がったから今回のネタだよ!!なんで僕!?なんで僕に飛び火するかな!?既存キャラ性転換して何の意味があるんだよ!?こういう時のオリ主だろ!?だから僕は元の身体を取り戻すためにボスのいう事聞かなきゃいけないんだよ!!」

………あの馬鹿作者め……。こういう事だけ思いついたら即行動するから性質が悪い……。
下手したら僕が性転換されていたかと思うとゾッとする。

しかし、いくら未来の世界とはいえそう簡単に性転換など可能なのだろうか……?
彼は今『ボス』と言ったな。
話の流れから察するにその人物が彼を性転換した張本人であり、『バナナ団』のリーダーだと考えるべきか……。

「ちなみに、君のいうその『ボス』っていうのは―――……」



「俺様だ〜〜〜〜〜〜〜!!」


…………ッ!?

低身長。それでいてどっかりとした腕・足・顔。
白い魔道服に未を包み金色のフレームを飾り付けた杖を持つその姿。

「なのヤン様だ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」













「…………………おい、なのえもん?ちょっと話し合おうか?そろそろ本格的に……」

この状況下でも妹と平然としてケーキに舌鼓を打っているなのえもんを僕は思い切り睨みつける。

「キャッ♪クロノ君でば大胆なの!」

「『キャッ♪』じゃないだろうがああああぁぁぁ!!結局今回もお前が騒動の原因か!!?なんかもう性転換とか訳の分からない新スキルまで搭載してるし!!!」

「…………」

そんな僕のツッコミになのえもんは突然黙り込み、真剣な表情を見せる。

「当初の『なのヤン』にそんな能力はなかったはずなの。つまり奴は放っておいたうちに進化を続け、この未来の世界に自力でやって来たという事なの」

「………真剣に語ってるとこ悪いんだけどな、結局それ勝手に作っておいて、なのヤンを放置した君の責任って事になるよな?」

「ノンノン。これはなのヤンの責任であって私には全く関係ないなの♪」

うわぁ……。思い切り開き直ったよこいつ………。










「さぁ、ユーノ。邪魔な奴らをやっつけちまえ!!」

「ごめん、みんなっ!今度何か奢るから!」

「割りに合う訳ないだろ〜〜!!」

なのヤンの号令にユーノは再びフェレット型のロボットに搭乗する。

「こうなったらクロノ君。ロボにはロボだよ!」

「………は?」

そんな相手側の動きに対して、エイミは何か訳の分からない発言をし始める。

「クロノロボ発進!!」

「待て〜〜〜〜!!今回本当に色々と待て!!」

どこから持ち出したか分からないようなリモコンを持ち出すエイミ。
そして、それに呼応するかの様に突如現れた僕をモデルに作られたであろう人型ロボット

「さ、乗って!」

「ちょっ……!何なんだこの展開!?」















結局乗ってしまった………。彼女の『アルカンシェル〜〜♪』の一言で……。

「良いクロノ君?簡単な操縦法を教えるから、すぐに覚えてね


まず、そのボタンを押すと『土下座』
更に右のレバーを引くと『スライディング土下座』
左のレバーを引けば『ジャンピング土下座』
下のボタンを押せばなんと『土下座状態で頭をこすりつける』
上のボタンで『揉み手』

クロノ君をモチーフになのえもんお姉ちゃんと協同開発してみたんだけど、どう?」


「…………とりあえず、君等姉妹の悪意だけはひしひしと感じたよ」

「………あっ!」

すると、突然エイミが声を上げる。




「向こうもロボも土下座してる!?むぅ……、こっちと同じ発想か。やるなぁ……」

まぁ、向こうもなのえもんから生まれた訳だし?













「ふっ、やるじゃねえか。なら俺様の部下達がお前らの相手を………」

「『俺様の部下』っていうのはこの人達なの?」


完全に悪役の典型的なセリフを口にするなのヤン。そんな彼女のセリフを塞ぐ様にもう一人の少女の声が。


「弱いなんてレベルじゃないなの。………軟弱な草食男子は、家にこもってプリンでも食べてろ………なの」

そう吐き捨てるなのえもんの足元には『バナナ団』であろう男達の死屍累々とした惨状。
仮にもヒロインのセリフとは到底思えない………。




「くっ……!こうなったら俺様自らが!!」

『Divine―――……』

「遅いなの!」

ガコオオオオオオォォォォン―――………!

なのヤンも得意とするあの桜色の光線。しかし、なのえもんはそれを放つ前に自分の杖を相手の顔面に投げつける。

いや、だから………お前の杖の使い方はそれで良いのか?










こうして、『バナナ団』事件は幕を閉じたのだった。

改めて思う。僕何のために来たんだろう、と―――――………。









メンテ
Re: なのえもん ( No.4 )
日時: 2010/02/27 20:40:30
名前: うめ酢 






この歳でこんな事を言うと、笑われるだろうか?

それとも呆れられるだろうか?

早い話、最近生活に疲れたのだ。
別にだからと言ってそこで人生を終わらせようなどとは思わない。
むしろ終わらせたら何かに負けてしまう様な気さえする。

さて、僕が何に疲れているのか。
学校の授業についていけない?宿題が面倒?家族関係が関係が上手くいっていない?
いやいや、そうではない。

自分で言うのもどうかと思うが、僕はそれなりに人並みにこなせる能力があると自負している。
勉学も運動も、人間関係も悩むほどの問題ではない。

しかし、僕の今の悩みはおそろしく対処が難関だ。
それも全て『彼女』1人のせいだ。
イヤ。告白だとか停滞期だとか、そんなんじゃない。むしろその程度の悩みだったらいくらでも悩んでやるさ。


「ク〜ロノ君っ!」



………はっ!



「お〜は〜よう♪」 『Divine Buster』




そう、僕の悩みとはひとえに………

………彼女のその凶悪さにあるのだ。









劇場版 なのえもん

『なのえもん・クロノの・え?これっていいの?ダメなんじゃ……もういいや、やっちまえ伝説』













「ちっ!避けたかなの……!」

「避けたかじゃない〜っ!あと数センチズレてたら間違いなく死んでたよ!!
毎回桃色レーザー撃ってくるから、もう反射でかわせるようになったじゃないか!!日常生活に全く不必要なこの能力が逆に悲しいわっ!!!」

「………ごめんなさい」

……ぐっ 誰が騙されるか!
凶悪・凶暴・腹黒の三拍子揃っているくせに、顔だけは可愛いのが更に腹立たしい。

「今度は避けにくいアクセルで追い詰めて、確実にスターライトでしとめるなの☆」

こういう奴なのだ。
自称『魔法少女型ロボット』なのえもん。
その性格はまさしく悪魔、容姿は天使、能力は何かの例えじゃなくホントにチートそのもの。
『あたしTUEEE』ととってもらって一向に構わない。





「斬○剣っ!!」

「ぎゃああっ!」

僕の意識が少し余所見をしている間、気がつくとなのえもんのステッキが僕の眼前に迫っていた。
辛うじてかわしたものの、僕がかわす前に立っていた位置は見るも無残にボロボロになっている。そう、こいつ打撃力も尋常ではないのだ。

「ななな………何をっ!!?」

「この萌え萌え魔法少女の私を侮辱する奴は死ねば良いの♪」

「……また君は人の心を読むとか普通にチート能力を………。普通の萌え萌え魔法少女『死ねば良い』とか言わないぞ!?っていうかそれ自体何か私語っぽいし!」

そもそもステッキで殴りつけるとか、もう魔法じゃないし……

でも、そんなお茶目な所もキュートなんだよな……


よく今まで死ななかったと、我ながら関心する。

そんなスリリングな展開に僕のハートはどきどきだ。


そもそも母さんも母さんだ……。なんであんな鶴の一声でなのえもんの居候許可を出すのか……

いくら僕の理性を持ってしても、彼女の美しさの前ではいつまでもつか………

「あ〜っうっとうしい!!人のモノローグにちょいちょい割り込むの止めてくれるか!!?」

「私じゃないの。後半のはクロノ君が無意識に思ってる深層意識なの」

「『後半』とか言ってる時点で人の心に進入してきてるのバレバレなんだよ!」







「まったく……僕も君みたいに魔法が使えたらどんなに楽か」

「………クロノ君」

壊れそうな物を労わる様に、そっと彼女の小さな手が僕の肩に乗る。

「ヘタレなあなたにはお似合いのセリフなの♪」

………世の中の女性に問いたい。
相手が女の子でもぶん殴ってやりたい時、この衝動どうすれば良いんですか?

「そんな事よりクロノ君」

「………何だよ?」

「上」

「は?」

実に癪ではあるが、彼女の言うとおりに上を見上げてみる。
―――――のもつかぬ間

僕の意識は途絶えた。











重い目蓋がをゆっくりと開く。

っ! 頭がひどく痛む。 何なんだ?



身体も重い。
わずかに開いた瞳に映るのは、なのえもんの姿。

「よしっ」

何かがさごそと準備をしている。一体何をしようというんだ………



「このサイトの他作品に乗り込みにいくなの!」

「止めんか〜〜〜〜っ!!!」

身体が重いとか言っていられない。
渾身の力で僕はなのえもんの愚行を阻止する。

「……ちっ。こいつ最悪のタイミングで起きやがるなの………」

「最高のタイミングで起きたつもりですけど!?」







「しかし、僕はなんで気を失ってたんだ?」

「ソレがクロノ君の顔面に直撃したなの」

なのえもん視線の先を追い、彼女の言うソレに目を向ける。


「………っ!?」

そこにあるのは、僕となのえもんを象った2体の石像。
象ったというには不気味な程よくできていて、まるで僕たちをそのまま石像にしたかの様にそっくりなのだ………。




「って!アレ僕の顔面に直撃したのか!?」

「ホント……あれで死なないなんてどうなってんの?アンタ絶対人間じゃないわよ………」

「君に言われると無性に腹立つな……。しかも口調変わってないか!?」





はあぁ〜〜……
もう嫌だ。こいつが来てから僕の人生狂いっ放しだ。
もしも……もしも『こいつと出会う事さえなければ』僕の人生どんなに平穏無事だったか。

虚しい。いくらIFの世界を想像しても、しょせんそれはIFでしかない。
それは想像の世界でしか存在しない世界であり、どんなに望んだ所で……………………はっ!!





「なのえもんっ!」

僕は全てのプライドを捨て、なのえもんに土下座する。
僕の生涯の大勝負どころだ。そのためならプライドなんてかなぐり捨ててやる。

「頼む!一生のお願いだ!もしもボックスを出してくれ!このとおりだ!!」

断られる可能性は高い。
だが、万に一つでも可能性があるのなら僕はそれに賭けたい……!!

「………今回だけだよ?」

「……え」

「クロノ君が私に土下座するなんて、よっぽどの事なのくらい分かるよ。
それに初めてだよね?クロノ君が私にお願いするの
私………嬉しいな♪」



ズキッ

何だっていうんだこの胸の痛みは……
良心が痛んでるとでもいうのか?

馬鹿な……彼女にだぞ?あのなのえもんにだぞ?

そんな事ある訳がない……。








どうやって出したかはこの際ツッコミ不要だ。
僕は、電話ボックスの形をしたチートアイテムに向かって一歩足を進める。


何を悩む必要がある。
これで僕は平穏無事な世界へと帰れるんだ。

「もしも―――――…………」





「魔法の世界になったら  なの♪」




…………は?

…………………はぁ??










「はあああああぁぁぁぁ!!!?」



「さぁ、クロノ君のお望み通り魔法の世界にご到着なの♪」

「何がご到着だよ!?誰がいつ何時何秒にそんな事望んだ!!!?」

「ほら、上にスクロールしてみるなの。『僕も君みたいに魔法が使えたらどんなに楽か』って」

いや、言ったけれども…………。言ったけれでもだな………
だとしても、僕の受話器取り上げる必要がどこにある!?

そんな事を考えている内に、なのえもんは既にもしもボックスをしまい込んでいた。


「そ・れ・に………

私クロノ君に『出してくれ』とは言われたけど『使わせてくれ』なんて言われた覚えなんてないなの♪」



あぁ…… 忘れていた
……………こいつ、人の心読めるんだ……。








待て。

だが、これで僕は魔法使いだ。
思考を止めるな。逆手をとれ。脱非日常を諦めるな!

「覚悟しろなのえもん!ここで君への下克じょっ……」

「ドラグ○レイブ〜〜っ!!」


いやっ おまっ………魔法は魔法でもそれは………







結論。
どうやらこの世界に魔法が存在するのは確かな様だ。

だが、それは幼い頃からの訓練により身につくものであり、魔法など全く経験のない僕が扱えるものではなかった。
例えるなら過去から原始人を連れてきて『お前パソコンでサイト作ってみろ』と命じるようなものだ。

仮に訓練で魔法が使えたとしよう。
それでこのチート女に勝てるか?

答えは否だ。
そんな当然の事を失念するほど僕は相当取り乱していたようだ。

「まぁ、悪ふざけはここまでだ。さっさと元の世界に戻せ」

「まさか。この私がクロノ君の望みを聞くなんてありえないなの。
私の気が済むませ世界はこのままなの!」

やはりこいつ………確信犯か。







あとがき

はい。お気づきの方もいるかもしれません。
ぶっちゃけこれ劇場版ドラえもんのなのえもんverでございまする!
良いのかなぁ… ま、二次創作って事で大丈夫な………ハズ?

この小説のコンセプトは本作の流れを如何にブチ壊しにするか です。
シリアスにしたら負けだと思ってますw(何そのニート発言!?

プロットもなんにもないぶっつけ作品、いつ更新止まってもおかしくない!
そんな作品ですので、期待してたら痛い目に遭いますよ?(作家の発言じゃない。。。
メンテ

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